12/27 薄紅(現代) 紅白×昔風

2012.12.27.Thu.04:07

「赤い糸を、阿高は信じる?」
「なんだよ、気持ち悪いな」
 阿高は顔をしかめた。
「だから、運命の恋のことよ」
 どうしてあがりこんでしまったのだろう。荷物は玄関先において帰ればよかったのだ。
 修学旅行で見学したナントカという寺の庭のごとき枯山水を、阿高はとほうに暮れてながめていた。
「そんな話より・・・・・・」
 部屋にかけられた白無垢が気になる。
「これは、おばあさまのものです」
 知り合いに貸す予定があるのだという。
「二ヶ月前に知り合ったばかりで、結婚することになったんですって。それまで、一度だって会ったこともなかったのに」
 それで赤い糸か。阿高は茶を一口すすった。
「会ったその日に結ばれたんですって」
 むせそうになる。どういうことだ。
「どういうことって、一目見て好きになって、その日のうちに」
「いいから。言わなくていい」
 鈴がじっとみつめてくるのも気に入らない。
「約束したんですって。ずっと一緒にいようって」
 小指を差し出した鈴は、にっこり笑うのだった。
 結ばれた赤い糸。知らないわけではないが、これはある種の罰ゲームじゃないかとすら思えてくる。
 そっぽをむきながら、それでも小指を引っ込めない鈴を、このうえどうあつかったらいいのかわからずに、阿高は立ち上がった。
「どうしておれが」
 指切りげんまんなんて、ばからしい。帰ろうとして、衣紋かけに足がひっかかった。あっと思ったときには、白無垢とともに鈴の上に倒れこんでしまったのだった。
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コメント
「ハンガー」ではなく「衣紋かけ」にときめいてしまいました!!とうとう、今日が連続更新の最終日&勾玉まつりですね!1か月、本当に楽しませていただきました☆

よいお年をお迎えください。

来年も、ときめきを求めにお邪魔させて頂きます!!
衣紋かけって、すでに死語になりつつあるのかもしれません。ここは、着物をかけるようなおっきなやつを想像していただけるとうれしいです。
はげましのコメント、本当にありがとうございました。
これからも、勾玉への愛をつづったり叫んだりしていきたいとおもいますので、よろしくお願いします。

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