出雲へゴウ!1

2012.03.27.Tue.16:07
一日目 出雲は雨だった

 雨模様です。しかし、これが恵みの雨だったことがあとでわかりました。米子道の蒜山高原あたりは、まだまだ除雪車が出動したり、路面が凍結することがあるようです。運が悪いと、ノーマルタイヤの旅人は引き返さなければならないところでした。高速に架かる虹はまさしくウェルカム・レインボー!! そうなのです、虹を一日で三回もみました。初めてです。縁起がいいです。

 大阪あたりで高速を間違っておりてしまい、二時間くらい到着が遅れました。午後四時前にあわただしく荒神谷博物館を見学しました。もっとゆっくり見たかったですが、断念。せめてもの記念にと、出口付近に設置してあったノートに思いのたけをかきなぐってきました。支離滅裂ですが、よしとします。
120324_1558~01

 考古学的な価値が大変たかい貴重なこの遺跡を見学できて、これだけでももう泣けます。
 史跡公園はとても広く、じゅうぶんに散策できませんでした。雨が降るなか、しっとりとぬれたゆたかな森を眺めていると、古代に生きていた人たちの祈りや息づかいに少しでもふれられるような気がします。できることならテントでも張って一晩明かしたいくらいです。(すごく寒そうだけどね!!)椿の森でイベントがあったようですが、間に合いませんでした。残念。
 出雲弥生の森博物館にもいけなかったのがとても心残りです。
 よすみちゃん・・・・・・。(博物館のマスコットキャラ)

 暗くなりかけたなか、宿に向けて車を走らせます。
 出雲の山は、なんというか、すごい。まさにのたうつ大蛇を彷彿とさせる「うねうね」な山並みでした。「八雲立つ」は出雲にかかる枕ことばですが、ほんとうに雲が立つようにわきあがっているところを見て、驚きました。すごいよ出雲!
 一日目の宿は、ビジネスホテル大社でした。
 部屋が道路側に面していたので、大社をいだく山を間近に見ることができました。暮れる空に流れる雲と、風にゆさゆさ揺れる山の木は、古代ムード満点です。朝焼けにかがやく山を見られたのも大満足です。
 ただし、ビジネスホテルなので設備的には△かと・・・・・・。湯量が少ないので、お風呂はできれば別のところで入ったほうがいいと思います。ご飯は海の幸がでてボリューム満点でした。夕飯になまこの酢の物がでました! 古事記の旅的にもおいしかったです。
 このお宿の何がすごいというと、古代出雲歴史博物館のすぐ目の前にあるということです。
120325_0606~01

 なので、閉館まであと四十五分というところで滑り込んで入館できました。中央ロビーにある宇豆柱(うづばしら)でまず圧倒されます。
 平安時代の出雲大社本殿の模型は必見です。きざはし何段あるんだよ! スイッチ一つで階段がフラットになる巨大すべり台妄想が群雲のようにわき出てきましたが、なんだかおそれおおいので次へ。
 出雲風土記の世界も、すばらしかったです!
 兼倉さまがこの展示で2時間過ごされた気持ちがわかります。
 マネキン(と呼んではいけない気がする)がしゃべり出します。
 奈良時代の市の様子が再現されています。初夏の野菜、水産物、薬草などが、むしろの上にたくさん並べてあります。
 展示ガイドによると、人形の背丈は成年男子は155センチ~160センチぐらい、成年女子は145センチ~150センチぐらいで設定されているようです。
 菅流は、遠子と市で出会った場面で、「立っていると、人垣より頭ひとつぶん抜きんでている」という一文があることからして、165~178くらいではないか・・・・・・と想像するのも楽しい展示でした。
 男の人が呼びかけている「めならべ~、めならべ」というのは、よく見てね、もしくは見比べてよ。という意味なんですね。
 万葉集にも、「西の市にただひとり出でて目ならべず買ひてし絹のあきじこりかも」(西の市でよく見ないで、わるい絹かっちまったよ)という歌があるようです。
 模型の市場には橘の木も植わっています。白鳥好きにはたまりません。こうした市には、ほかに椿や槻などが植えられていたそうです。目印としての高木かもしれない、という考察も興味深い。
 「古代出雲の愛の物語」という映像も面白かったです。このアニメは、朝酌促戸(あさくみのせと)の海女である、朝酌促戸女(あさくみのせとめ)略してせとめと、器つくりの工人である大井浜麻呂の恋物語です。
 市でせとめとすれ違った浜麻呂は、「今日こそはあの乙女の名をきこう」と思って呼び止めます。ドキドキです!! 名を聞く=共寝のさそいでもあり、相手が名前を教えてくれたらカップル成立なのですね。
 ほほをそめたせとめが、まんざらでもなさそうにしているところへ、島根郡大領の息子である須佐麻呂(すさまろ!)がのっしのっしと割り込んできます。葉っぱのついた枝でせとめの顔をぐりぐりするところなど、すてきな悪役ぶりです。好きな子ほどいじめたくなるタイプとみました。
 このあとせとめのハートをめぐって二人の麻呂が歌合戦するのですが、ここまでみたところでどうしても恥ずかしくなって(閉館時間も迫っていたので)心をひかれながら次へ進みました。
 恋の行方は言わずもがなですが、展示ガイドによると、浜麻呂がせとめを思いやさしい歌を歌ったのに対して、須佐麻呂は「自分の欲望を赤裸々に歌いました」ということです。やさしい美男子・浜麻呂が勝つわけですが、私は正直者の須佐麻呂が好きです。せとめを好きな気持ちをどう赤裸々に歌ったのか、とても気になります。やっぱり最後まで見ればよかった。
 そして、この博物館では、荒神谷で出土した銅剣が展示されていますが、整然とならべられたさまは迫力満点です。国宝おおお!おおおおお!もっとじっくり(以下略)。「暗くてこわい」といって私の手をひっぱる娘が鬼にみえました。鬼だ。銅剣がプリキュア的な色使いだったら、もしくはプリキュアが銅剣でたたかう、とかだったらすこしは長くとどまってくれたかもしれません・・・・・・。
 娘に引っ張られながら、うわああすごい!となったのは、馬上の大首長像です。大首長がなんと、馬に乗っておられる! 金の冠がまぶしいです。出雲西部の大豪族の装いを復元したものだそうで、身に帯びた装飾付大刀は権威を高めるための重要なアイテムだったとのこと。
 少しすすむと、黄金の大刀が置かれています。うおおおお!(持ち上げながら)。これは、な、なんとさわれるのです! レプリカですが! ひんやりした大刀の感触にニヤっとくるのを止められません。すいません。にやつくのを抑えるために顔がぴくぴくしました。
 ショップで展示ガイド(1000円)を迷わずに購入しました。古代に思いを馳せるための資料集としても買ってそんなしです。これがなければ、強引な彼が須佐麻呂だということ一生知らないままだったでしょう!!(そこか)
 色男・浜麻呂が大国主で、せとめがスセリビメ、須佐麻呂が須佐ノ男だと思ってみるとまた楽しそうです。
 結論!
 博物館に泊まりたかった。素泊まりでもいいのですが…!
 最初から最後までハートをつかまれっぱなしでした。須佐麻呂には私のハートを…。(いらないかと)
 博物館でこんなにどきどきしたことは、今までありません。

 ありがとう荒神谷博物館!
 愛してしまいました、古代出雲歴史博物館!

 2へ続きます。翌日は出雲大社と由志園へ。
関連記事
コメント

管理者のみに表示