勾玉ゆくとし くるとし4

2011.12.31.Sat.21:30
21:30

「ほら、あったまるぞ」
阿高は湯気を立てる紙コップをさしだした。うけとった鈴は、目をぱちぱちさせながら、一口飲んで、つぶやいた。
「へんな味ね」
「甘酒を飲んだことないのか。なれるとうまい」
「阿高、これにはいつ火をつけるの?」
 神社の境内にうずたかく積まれたたいまつのそばで、阿高は息をついた。
「十一時だよ。そのころには、人もたくさんお参りに来るだろうな」
「ふうん。阿高は、神社の子どもだったの?」
 阿高はふきだした。
「このあたりの家を、持ち回りで準備するんだよ。さあ、みかん箱も運んでしまわないと」
「わたくしも手伝う」
「持てるのか?」
「がんばる」
 阿高はほほえんだ。
「ありがとう」

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