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一品妃(おうひ)のお茶

 ちょうど里の入り口にたどりついたとき、風が強く吹いた。 思わず編み笠をおさえたほどの強風だ。 都から七日の道のりをゆき、船に乗り込み、凪海を揺られること丸一日。切り立った山が間近に迫ってくるようだ。港を離れると、あとは埃のまう道がどこまでも続くばかりだ。(なんと寂しいところだ)ひとつ、嘆息する。足下に何かが落ちているのにホバクは気づいた。かがんで手に取ったそれは、娘の髪を飾る細い布だった。 羽ば...