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祝言の日まで17

手をさしのべて、若く美しい大王を愛馬に乗せたとき、由津は今まで感じたことのない胸の高鳴りを覚えた。 馬は里へ向けてひた走り、そのあいだずっと背中にはあたたかいぬくもりを感じていた。腹に回されたしなやかな長い腕。 一瞬、どこまでもこのお方と駆けていきたいと、ほとんど心がわきたつような思いを感じた。「狭也!」 でも、それはまぼろしなのだった。 のどを振り絞るように叫んだ声を聞いた。穏やかな笑みをたたえ...