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ヤマタノオロチ(3)

あたりは静まり返っていた。ただ、櫛名田の嗚咽だけがむなしくひびいているばかりだった。須佐ノ男はひとこともものを言わない。二人は身を寄せ合って棒のようにつっ立っていた。「大蛇神は、勘違いをしたまま、鎮まってしまったわよ」 須佐ノ男はしゃくりあげる櫛名田の背中を、剣をもたないほうの手で幼子をあやすように軽くなでた。「勘違いではないよ、きっと。あなたは山祇だ。大蛇神のいとしい娘だったんだ」「でもわたくし...